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行ってきました。
久しぶりに上野公園の中を歩きましたが、雨上がりで小さな虫が大量に飛んでいて凄かったー(-"-;) ま、田舎っ子はそんなの気にせず、ずんずん歩いて国立博物館へ。あれだけNHKや民放で特番組んでたら人も多いわよね、入場制限で30分待ち待ってる人の年齢層の幅広い事…。これだけの人が足を運ぶんだもの、まだまだこーゆー文化財をきっちり守っていけるでしょうね、この国は。
なんてコトを考えつつ、入場。
私は使いませんでしたが、イヤホン型音声ガイダンスは市原悦子さんでしたよ、すごいね 家政婦口調で「あら、いやだ」とか言ってたら借りたかも(笑)
国宝といわれる物の展示を今までいくつか見てきてその都度思うことなのだけれど、今回も全ての物が1000年以上前の物なのに、奇跡的な状態の良さで今日まで残っているってコトに改めて感動。今まで歴史に名を残してきた人たちや、その片隅で生きてきた多くの人たち、どれだけの人が同じモノを目にしてきたんだろう…なんて考えると、ホントにすごいなぁと思う。
仏足石などにうぉーと感動しつつ、メインイベントの日光月光菩薩像へ。
まずはちょっと高い位置からの鑑賞。あぁ、やっぱり美しい。あの滑らかな体のラインは惚れ惚れするわ。その神々しい姿にしばしぼけーっと見惚れるワタクシ。
なんだかその場がえらく混んできたので、スロープを下りゆっくりと恐れ多くも(笑)菩薩様の足元へ…。
日光菩薩像。
…すごいエネルギー。鳥肌が立ったわ。何とも言い表せない気持ちで目が潤む。私なんて超いい加減な無宗教者なのに(笑)。圧倒的存在感で全部見透かされてる気がする。ゆっくりと後ろへまわって、初公開のそのお背中はいけーん。うわー、アスリート系だ。綺麗だなぁ…。正面ではうっすら微笑んでいるような穏やかな顔だけれど、360度ぐるりと回るとまわる間にいろんな表情を見せる。下っ腹に揺るぎない真実をどっしりと抱えて。なんてたのもしい姿なんだろう。
お隣、月光菩薩像。
こちらもまた、なんて素敵なんでしょう。肌は滑らかで張りがあってうっすら筋肉のスジが浮いている。リアルだわ。そろりと背後に回る。…色っぽい!日光菩薩とは違って女性的な丸みのある柔らかな腰つきで、悩ましい。菩薩様に対してその表現は正しくないのかもだけど(笑)。凄く惹き付けられる。…ホントに綺麗。
真横から見ると立ち方が微妙に違うのですね。
月光菩薩像は少し前傾気味で腰をひねっていて、日光菩薩は下半身はまっすぐで、上半身をちょっとだけ反らして胸を張っている感じ。この重心の位置の違いは今日初めて知ったわ。日光菩薩が男性っぽいのは、この立ち方のせいもあるのね。
鋳物なのに風が吹いてきたら今にも、まとう布がさらりと動きそうなしなやかさ。こんな複雑で滑らかなもの、一鋳造りにするなんて当時の技術の高さに脱帽。っていうか、今ならこの艶やかな仕上がりって可能なことなのかしら?今でも高度なんじゃないの?よくわかんないけどね。
一緒に展示されていた大般若経なんかにもちょっと感動。
字の美しさもだけど、今私たちがこうして使っている文字がそのままソコに書かれているから読めるんですよね、8世紀の物なのに。んで、こうやってたくさん書き写されてきたモノの末端の、ツルッツルの紙にピコーンとコピーされた延暦寺シール付き(笑)の教本を私が所持していることも歴史ってヤツよねぇ。素晴らしい。
最後に透き通るような肌の小さな国宝、吉祥天像を見て閉館時間間際の博物館を後にしました。
本当は芸大でやっているバウハウス展をハシゴする予定だったのだけれど、薬師寺展をじっくり見すぎて芸大の方が閉館しちゃった(笑)。こちらはまだしばらくやっているので、またの機会に。
そして会場でまたここに来る予定を作っちゃったよ。7月8日から「巨匠たちの日本美術」が始まるんですよねー。歌麿、写楽、伊藤若冲などが拝めます。行かなくちゃ
でさ。
展示に至るまでって、その作品が作られた時から多くのプロの手が何百年も作品を守ってきてるんだよねぇ。もちろん薬師寺からここまで運んできた日通の美術品輸送のスペシャリストたちとかも。生まれ変われるなら、こーゆーモノを守れるプロになってみたいなぁ。。。なんて思った帰り道でした。